先日、妻の勧めで映画『ビリーブ 未来への大逆転』 (On the Basis of Sex) を観ました。この2018年公開のアメリカの伝記法廷ドラマは、ルース・ベイダー・ギンズバーグの人生と彼女の初期の裁判を描いています。ルースは、アメリカ合衆国最高裁判所の女性判事として2人目となった人物です。タイトルからもわかる通り、この映画はジェンダーに基づく構造的不平等をテーマにしています。しかし、物語の舞台が1950年代から1980年代という時代背景にあることで、社会が数十年の間にどれほど進化したかを描きつつ、同時にいかに「すべての人の幸福と公平」を促進する社会が未だ遠いかを示しています。
性別に基づく不平等は何千年も社会の常識でした。確かに進展は見られますが、今でも不平等な状況は多く存在しています。その根本的な原因は何なのでしょうか? それは、社会そのものの構造にあります。考え方を変えるには、その考え方を形成している社会自体を変える必要があります。現代社会は依然として家父長制的な視点によって支配されており、多くの人が「公平」と「平等」を混同しています。
人間は本質的に平等ではありません。性別、人種、体格、遺伝子など、私たちはみな異なっています。この違い自体は自然なことです。 しかし、不公平を受け入れることは自然ではありません。 違いを理由に制限され、社会的な枠にはめられることは容認できません。さらに憂慮すべきは、現代社会の一部が「不平等を常識」として受け入れ、問題の解決ではなく後退している兆しがあることです。
違いを受け入れることで社会は良くなるのか?
One Daily Tale では、人間の違いこそが未開発の可能性を秘めていると信じています。文化、遺伝子、脳の働きの違いによって生まれる多様な視点は、課題に対処する上での強みとなるでしょう。しかし、人間は他人と自分を比較し、ビデオゲームのようにランク付けをしたがる傾向があります。この誤った考え方をどう克服するのでしょうか? それには、多様性を重視し、文化や国の違いを理解するという世界的な視点が必要です。
この視点が欠けている限り、不平等は永続し、憎しみの言葉がどこかで語られ続けるでしょう。 多様な視点を理解するには、まず私たちの思考の基盤である脳を変える必要があります。不平等を助長する思考の硬直性は、脳の神経可塑性を高めることで緩和できます。
神経可塑性は社会の進歩の鍵なのか?
脳の柔軟性である神経可塑性は、20代半ばにピークを迎えます。この時期、私たちは好奇心旺盛で、新しい経験を求め、生き生きとしています。しかし、大人になると多くの人がその柔軟性を失い、考え方が固定化されてしまいます。ですが、神経可塑性は意識的な努力によって育むことが可能です。 新しいことを学ぶ、運動する、好奇心を持ち続けるといった、脳に良い習慣を作ることで、精神的な柔軟性を高めることができます。
一見すると関係がないように思えるかもしれませんが、脳を鍛えることで社会にも影響を与えることができます。柔軟で開かれた心を持つ人々が増えれば、不平等の根深い問題に取り組み、社会全体を進歩させる準備が整うでしょう。基本はもう理解できたはずです。残るは行動に移すことだけです。
あなたの意見は?
映画『ビリーブ 未来への大逆転』やそのテーマとなる社会問題について、あなたはどう思いましたか? 神経可塑性を高めることが社会の変革に繋がると感じますか? コメント欄で意見をぜひお聞かせください!
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