昔々、エスペリアという名の地がありました。そこでは、7つのカタチの導きによって調和が花開いていました。
その中にいたのが、アトマ——バランスのカタチであり、深い藍色の髪を持つ存在です。
穏やかで絶え間ない海の波のように、アトマの存在はバランスを守り、大地に平和をもたらしていました。
極端な行動は時に魅力的に見えるかもしれませんが、本当の健やかさはバランスの中にあります。
食べなさすぎれば、体は飢えで弱っていく。食べすぎれば、体は重くなり不健康になります。
時間もまた、限られた大切なものです。
それを賢く使うには、行動と休息の間に調和を見つけることが必要です。
限界に挑むことは成長につながりますが、休むこともまた大切。
バランスを保つことで、私たちは本来の力を保てるのです。
ある日、バランスの守護者アトマは、謎の人物に打ち倒されました。
地に倒れながら、彼女はかすれた声でこうささやきました:
「あなた… なにをしたの…」
こうして、世界の自然なバランスは崩れてしまいました。
ルインと呼ばれる闇の魔法が解き放たれたのです。
それは静かな嵐のように広がり、世界の大人たちの心に黒いヴェールをかけてしまいました。
この出来事は語り継がれ、人の心に混乱が生まれた日として記憶されています。
それは影の始まりであり、やがてエクリプス(蝕:しょく)と呼ばれるようになったのです。
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