八面玲瓏

五つのエレメントには、それぞれに最も自然な特性やふるまいがあった。風のエスパーたちは、聞く力に優れ、清らかな心を持つことでよく知られていた。

それぞれのエレメントには、エスペリアの中で成長しやすい場所があった。風にとっては、澄みきった美しさで知られる場所があり、そこは人の本当の心を映し出すと言われていた。

長い年月の中で、その場所について多くの伝説が書き残されてきた。それは「風の谷」と呼ばれていた。

その谷の自然な風景は、風たちがやさしいそよ風へと変わるための穏やかな道をつくり、悩める心を安らぎへと導く柔らかな旋律を運ぶのだと語られていた。

エスペリア中から多くのエスパーたちが、自分自身を知るための巡礼として、風の谷を訪れることは珍しくなかった。

この地では自然が豊かに息づいていたため、すべてのエスパーが環境を大切にする必要があったが、その美しさだけで、誰もが守りたいと強く願うほどだった。

この畏敬の念は、澄みきった風景だけでなく、惑星に生きるすべての命へと向けられていた。

「私たちは、日ごろ目にしないものをすぐに忘れてしまいます。時には、それが存在していることさえ忘れ、守ることもできなくなるのです」と、共感のカタチであるグルミンは言った。

風の谷とその伝説は、すべてのエスパーたちに、自分たちの惑星の美しさと、ひとりひとりの内にある美しさを思い出させるために存在していた。

共有したいですか?


コメント

コメントを残す


最新の物語

  • 紆余曲折

    紆余曲折

    すべての者の目の前で明らかになった、バランスのカタチであるアトマの存在は、エスペリアを新たな基盤の上に再建するために生まれた原則において、極めて重要な意味を持っていた。それは、この惑星に生きるすべての…

    続きを読む

  • 槿花一日

    槿花一日

    この原則を認識したことで、エスペリアはすべての者にとってより公正な基盤の上に再建されることができた。 シャラ、時間のカタチの存在を日々思い出すことは、エスパーたちが人生は儚いものであると自分たちに思い…

    続きを読む

  • 至公至平

    至公至平

    「少しの間、誰にとっても偏見が存在しない世界を想像してみてください。」 「その世界では、出身や基本のエレメント、性別の違いが、私たちの個人的な感情にまったく影響を与えません。」 「どのような個人であっ…

    続きを読む

  • 七転八起

    七転八起

    その日の教えは、意志のカタチであるファヤにとって大切なもので、題は「失敗の後にやり抜く」だった。 彼女は大いなる火のエレメントとなり、戦う心と内なる火の強さで称賛されていたが、若いエスパーたちに、すべ…

    続きを読む

  • 頑健無比

    頑健無比

    もし五つのエレメントという概念が、若いエスパーたちにとって最初は少し抽象的に感じられることが多かったとしても、地のエレメントは間違いなく最初に理解しやすいものであった。 実際、健康なエスパーは他の者た…

    続きを読む

  • 十人十色

    十人十色

    エスペリアの大図書館は、主となるエレメントや出身に関係なく、すべての者が共有する価値観の上に築かれた文明がどのような姿になり得るのかを示す、等身大の例となっていた。 ほんの数年前までは、五つの異なるエ…

    続きを読む

  • 天真爛漫

    天真爛漫

    最も若いエスパーたちは皆、子どもに特有の輝きと無垢な純粋さを共有していた。それによって、彼らは自分の基礎エレメントが何であっても、自然に風のエレメントを使うことができた。 魔法とスターダストのつながり…

    続きを読む

  • 深謀遠慮

    深謀遠慮

    カオス戦争の終わりは、これまで無視されてきた確かな基盤の上に、ついにエスペリアを再建する絶好の機会だった。 ヴァティ、知恵のカタチは、物事の進行を案じていた。それは世界を長期的に見通すことを意味してい…

    続きを読む