グルコは、グルミンの物語、共感のかたちが何よりも好きだった。笑顔を向けること、人の話を聞くこと、ただ「ここ」にいること――そんなシンプルなことが、どれほど多くのことを成し遂げられるのかに、いつも心を動かされていた。
しかし彼女は、地球の「現代世界」の現実にも気づいていた。
それがそんなに単純ではないことを知っていた。
人間の脳は、実に多くのことができる。人を月に送り出すこともできれば、互いを殺し合うための無数の武器を作り出すこともできる。
それは私たちに愛する力を与えると同時に、恐れることや憎むことも可能にする。
宇宙は常に動き続けているが、人間は立ち止まり、時間をとり、考え、そして手放すことができる。
私たちは日々の忙しさの中で、本当に大切なものをすぐに忘れてしまう。最も愛している人こそ、最も傷つけてしまう人でもある。
もし私たちが、ついに手放すことができたなら――。
コメントを残す