時間の大切さは、人生のはかなさをようやく理解したときにこそ、初めて気づくものです。時のかたちであるシャラは、それを誰よりもよく知っていました。無数の時代を生き抜き、彼女は文明が興り、そして滅びていくのを見てきました。生と死の果てしない循環は、彼女に喜びと悲しみの両方をもたらしました。
彼女はまた、命があるからこそ、あらゆる生き物の中に美しさが宿ることも理解していました。しかし時に、それを感じ取るのは難しいものです。怒りや恐れに包まれ、心の状態によって視界が曇ってしまうことがあるからです。
空をゆっくりと流れる雲のように、時の流れを思い描くことで、私たちは心を落ち着かせることができます。地球では、いま全てがあまりにも速く進んでおり、シャラはそれを「時間の危機」と呼びました。――本当に大切なもの、優先すべきことが、無意識の雪崩の中に埋もれてしまう時代です。
「もし地球が“七つのかたち”を知っていたなら……」
彼女は少し悲しげにささやきました。










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