昔々、エスペリアという国がありました。そこでは、7つのカタチのおかげで、調和が保たれていました。
しかし、エクリプス(蝕:しょく)が起こり、世界は7つのカタチの存在を忘れてしまいました。
ヴァティは、水のように流れる知恵のカタチでした。彼女の髪は、澄んだ泉のような色に輝いていました。
ヴァティは、学びは一生続くものであることを私たちに思い出させるためにやって来たのです。
学びは好奇心を育て、世界について考える力を高め、自分自身の考えを持つ助けになります。
私たちは同じ地球に生きていること。
性別や人種などの違いはあっても、同じ人間の仲間であること。
それを知ることが、成長への道なのです。
けれども、ヴァティは自分の力が少しずつ弱まっていくのを感じていました。
そして悲しそうに、人々が彼女を忘れていくのを見つめていました。
人々はかつて持っていた知恵を失い始めました。
違いを受け入れることで生まれる調和や、公平さが実現できるということも忘れてしまったのです。
それでもヴァティは信じていました。忘却よりも強いもの——それは、学びたいという終わりのない願い。
そして、子どもたちが世界について問い続ける限り、希望は必ず残るのです…
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