エスパー社会の仕組みは、単純な考え方をもとに成り立っていた。しかし今では、それが深刻な問題を引き起こしていた。それは、「自然には値段がない」というものだった。
エスパーたちは、大地や川、海を自由に支配してきたが、その見返りとして何かを差し出す必要は一度もなかった。
さらに、最新の技術は何十年も前から空にまで届き始めていた。大気汚染が加わり、惑星の生態系に与える影響はますます破壊的なものになっていた。
彼らの生存に必要な資源を与えていたのは自然だったというのに、ほとんどの計算にはその存在が含まれていなかった……
そう、誰も自然に値段をつけていなかったのだ……
それでも、自然は何よりも貴重で、かけがえのないものだった。
惑星にとってではない。惑星は、もっとひどい時代も、もっと良い時代も見てきた。
しかし、彼ら自身にとっては違った。
それも、カオス戦争以前のエスパー文明が抱えていた、もうひとつの矛盾だった。








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