信念は私たちの現実をどのように形作るのか?
Machine Headはアメリカのヘヴィメタルバンドであり、1991年にボーカル兼リズムギターのロブ・フリンによって結成された。現在も彼が唯一のオリジナルメンバーとして活動している。ドラマーの友人がこのバンドを紹介してくれたのがきっかけで、その荒々しいエネルギーと、攻撃的なサウンドとメロディの絶妙な融合に惹かれた。
特に印象に残った曲が Halo だ。この曲の歌詞は宗教と盲目的な信仰の危険性をテーマにしており、私にとってとても響くものだった。当時、私はDream Theaterをよく聴いていたため、9分間にわたる壮大な楽曲の構成に慣れていたこともあり、Halo のメッセージがより深く心に残った。神の存在や信仰が狂信的になり得ることについて考えるきっかけとなった。
私はカトリック教育を受け、「唯一の真の神」がいると教えられた。しかし、中国系の家系に生まれた私は、仏教寺院で祈る機会も多かった。このような対照的な環境の中で育ったことで、幼少期から疑問を抱くようになった。「もし異なる宗教がそれぞれ『絶対的な真実』を主張するなら、何が正しいのか?」「なぜ宗教や政治はこれほどまでに人類の歴史を支配し、時には最悪の大量虐殺を引き起こしてきたのか?」現代でも戦争や紛争が続いているのは、一部の人々が自らの信念に固執しすぎて、他の可能性を考えられないからではないか。
神経可塑性(ニューロプラスティシティ)、つまり脳が変化し適応する能力は、柔軟な思考を持つ上で重要な役割を果たす。私たちの成長環境は思考を形作る要因の一つであり、幼い頃から強い影響を受けるほど、そこから抜け出すのは難しくなる。多くの人は、無意識のうちに自分のものではない価値観を持たされ、それに従って生きている。もしそれを疑うことなく受け入れてしまえば、私たちは自らの視野を狭めてしまう。
過去と向き合わずに、本当に前に進めるのか?
もう一つ、Machine Headの曲の中で印象的だったのが Deafening Silence だ。この曲は非常に感情的で、痛み、喪失、トラウマを経験したことのある人々に強く響く。歌詞の一つの解釈として、「どんな過去があろうとも、前に進まなければならない」というメッセージが込められているように感じた。しかし、トラウマを認識しなければ、それはいつか必ず心の奥底から浮かび上がってくる。
特に幼少期の経験を受け入れることは、癒しのために不可欠である。許せないこともあるかもしれないが、少なくとも過去と向き合い、それに囚われないことが重要だ。恨みを抱き続けることは、自らの中に憎しみの種を育てることにほかならない。
過去の傷を自分自身で乗り越えられる人もいるが、多くの場合、私たちは自分の感情を自己同一視してしまう。その結果、経験が私たちを形成するものの、それが私たちの本質ではないということを忘れがちだ。信頼できる人や、偏見なく話を聞いてくれる人の存在は、成長と自己理解に大きく貢献するだろう。
あなたはどう思いますか?音楽や芸術があなたの信念を揺るがせたり、過去を乗り越える助けになったことはありますか?コメントでぜひお聞かせください。
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