自らの本性を超える

エスパーという種族の原始的な本能は、何よりもまず、自らの個体としての生存のために自然に行動するよう、彼らを駆り立てていた。

今やエスパーたちは魔法を使うことができ、外から見れば、食べ物を求めて遊牧生活を送っていた時代とはもはや何の共通点もないような文明を築いていた。それでも、この生存本能と個人主義は、彼ら一人ひとりの人生の中心に、今なお存在し続けていた。

そして実際、自分自身の目を通してしか世界を見ることができないのなら、どうして自分が世界の中心にいると思わずにいられるだろうか?

それは、意志のカタチであり、火の大いなるエレメントでもあるファヤの考えの一つだった。

ファヤは、調和と人々の間の公平さが本当に存在する社会を、その全体として築くためには、エスパーたちは自らの本性を超えなければならないと考えるようになっていた。

「この自然な本能を乗り越え、今や何十億もの人々を抱える文明の一員として、自らの責任を自覚しなければならない……」

「そして、それを、それぞれの土地の違いを越えて行うのです。」

「一人の人間だけでは、世界を変えることはできない……。でも、誰も変わらなければ、物事も変わってはいかない。」

「だからこそ、個人と社会の仕組みという、二つの面に同時に働きかけなければならない。」

「自らの本性を超えることで、社会そのものを超えていくのです。」

共有したいですか?


コメント

コメントを残す


最新の物語

  • 一意専心

    一意専心

    エスペリアに不慣れな者にとって、その街を初めて歩くことは、生きた幻想に足を踏み入れるような感覚だろう。エスパーたちはついに自然を守ることの重要性を理解し、インフラを自然と調和させるよう最善を尽くしてい…

    続きを読む

  • 医食同源

    医食同源

    エスパーたちの中で、地のエスパーは食料生産に最も詳しかった。彼女たちのエレメント、地はそれに適しており、豊かな土壌は良い食べ物の基盤だからだ。さらに彼女たちは健康でも知られており、良い食べ物と良い健康…

    続きを読む

  • 朝三暮四

    朝三暮四

    七つのカタチは理解していた。One Daily Taleの書物がエスパーたちの大多数に届くまでは、多くの者が自分自身の内なる影に気づかずに行動し続けるだろうこと、そして影がしばしば彼らに代わって動くこ…

    続きを読む

  • 八面玲瓏

    八面玲瓏

    五つのエレメントには、それぞれに最も自然な特性やふるまいがあった。風のエスパーたちは、聞く力に優れ、清らかな心を持つことでよく知られていた。 それぞれのエレメントには、エスペリアの中で成長しやすい場所…

    続きを読む

  • 隔靴掻痒

    隔靴掻痒

    七つのカタチが One Daily Tale を書いて以来、決して欠かさなかったことが一つあるとすれば、それは自ら手本を示すことだった。 彼女たちは、平和な世界を築くうえで一人ひとりが持つ重要性を深く…

    続きを読む

  • 主客転倒

    主客転倒

    混沌の戦争の終わりにスターダストが発見されたとき、バランスのカタチであるアトマの誕生は、私たちが今語り継ぐ平和な世界へとエスペリアを変えた啓示だった。 異なるエレメントのエスパーたちは、互いについてか…

    続きを読む

  • 遠慮近憂

    遠慮近憂

    エスパーたちは、未来を最優先に考えるために生まれた存在ではなかった。 彼らは多くの点で人間と似ており、食べ、休む必要があった。彼らの惑星エスペリアもまた、周囲を回る星を持ち、昼と夜の周期が生まれ、それ…

    続きを読む

  • 平穏無事

    平穏無事

    グルコとカモノハシの仲間であるチャチャは、エスペリアがどのようにしてついに平和が行き渡る惑星になったのかを考えていた。 「何千年ものあいだ戦争があったのに、どうして今まで起こらなかったの?」とグルコは…

    続きを読む