混沌の戦争の後のエスペリアは、もはやかつての姿とはまったく違っていた。
魔法の使用には制限が設けられ、それによって世界の流れは大きく変わった。慌ただしさは減り、「今」という時間を見つめる心が育まれるようになっていた。
それは、戦争へと向かう時代の中で、すっかり忘れ去られていたものだった……
時間のカタチであるシャラは、一日の時間には限りがあるからこそ、一つひとつの選択は尊く、一瞬一瞬を大切に使うことができるのだということを、すべてのエスパーに思い出させる象徴となっていた。
「それぞれにふさわしい時がある。」
そんな言葉は、混沌の戦争以前のあまりにも速い流れに、いまだ心を奪われてしまうエスパーたちに向けて、街角のあちこちで聞こえてきた。
しかし、この生き方の哲学は、それ以前から確かに存在していた。
それでも、戦争前の文明は、利益、力、栄光、そして自我を追い求め続ける果てしない競争によって、ゆっくり時間をかけるという考え方そのものを、ほとんど不可能にしてしまっていた。
魔法の存在が、世界を複雑にしてしまったからだ。もしかすると、その複雑さを理解するだけの時間を持てなかった文明にとっては、あまりにも複雑すぎたのかもしれない。
「悪いことにも良い面はある。」
そう考えるエスパーたちは、戦後に生まれ変わったエスペリアの中に、長い間待ち望んでいた希望の光を見ていた。




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