それぞれの泡の中

意識のカタチであるエクレアは、この日、エスペリアの大図書館で授業を担当していた。

エスパーたちの文明を再建するには、長い時間と、誰もが理解し受け入れた共通の目標に向かって、一人ひとりが力を尽くすことが必要だった。

決して簡単なことではなかった。

とくに過去の出来事を振り返れば、そのような偉業を成し遂げられる文明だったとは、とても思えなかったからだ。

それでも、七つのカタチは決してあきらめなかった。そして今では、スターダストの発見こそが、自分たちの文明が本当の意味で共通の理解にたどり着くための、失われていた鍵なのかもしれないと確信していた。

この日のテーマは、すべてのエスパーの中に存在する「影」と、その影がどのようにして、大切な価値観や本当に重要なものを閉じ込める「泡」を生み出すのかということだった。

たとえば子どもたちは、まだ影が十分に育っていない。そのため彼らの泡には境界がなく、無邪気さと果てしない想像力こそが自然な姿であり、その泡は惑星中のあらゆるものを包み込んでいる。

成長するにつれて影は形を成し、その泡はしばしば、自分自身を囲むほどの大きさまで縮んでしまう。影がスターダストを育てて初めて見ることができ、そして少しずつ受け入れられるようになるのと同じように、この泡もまた、一見しただけでは見えない。

その泡の大きさや形は、さまざまなものによって変わっていく。教育、経験、ほかのエスパーとの関わり、知識……。

「語られることはほとんどありませんが、本当の目標は、すべてのエスパーが十分にスターダストを育て、自分の影と向き合い、それを受け入れることで、その泡を子どもの頃のようにどこまでも広げられるようになることなのです……」

エクレアは微笑みながらそう語った。

「今ではスターダストの存在を知っています。この目標は、もう夢物語ではありません。みんなが力を合わせれば、実現できる現実なのです!」

共有したいですか?



最新の物語

  • 使命意識

    使命意識

    バンジェルは、火のエレメントを持つエスパーであり、その姿は小さな犬のようだった。 長い年月の間、彼は存在についての問いを抱き続けていたが、本当の答えを見つけることはできなかった。 存在する理由。 生き…

    続きを読む

  • レッサーパンダのジョウリコ

    レッサーパンダのジョウリコ

    ジョリコはとてもかわいらしいレッサーパンダでした。 彼は今、食事のバランスや毎日の運動を大切にしながら、睡眠や心の健康にも気を配る、とても規則正しい生活を送っていました。 一見すると、自分の健康を完璧…

    続きを読む

  • 鏡花水月

    鏡花水月

    エスパーたちによる魔法の使用は、彼らの世界を根本的に変えてしまった。それは彼らの惑星エスペリアの生態系を永遠に変えただけでなく、社会そのものを著しく複雑化させていた。 なぜなら、魔法によってそのような…

    続きを読む

  • 純情可憐

    純情可憐

    私たちの友人であるカモノハシのチャチャと、風の谷の若きエスパーであるグルコとの出会いは、彼の中に埋もれていた思いやりを呼び覚ますきっかけとなった。 グルコは純粋で無垢であり、そのことが彼女に魅力的な美…

    続きを読む

  • 愚者一得

    愚者一得

    今日の教えの中で、ヴァティ、知恵のカタチは、大切なことを思い出させようとしていた。 これまでエスパーたちの強さを支えてきたのは、魔法でも、知性でも、身体の力でもなかった。 エスパーたちをそのような偉業…

    続きを読む

  • 明暗両面

    明暗両面

    アトマ、バランスのカタチを象徴する色は、海を思わせる深い青だった。 その波の満ち引き、上がり下がりは、いまやバランスと結びついたイメージとなっていた。 一直線とはほど遠く、あらゆるものには良い面と悪い…

    続きを読む

  • 往事渺茫

    往事渺茫

    エスパーにとって、もし苦手なことがあるとすれば、それは時間の無常を感じることだった。 過去であれ未来であれ、現在やその近くにないものはすぐに抽象的となり、物語という形をとるようになる。 それらの物語は…

    続きを読む

  • 一味同心

    一味同心

    エスペリアにとって、それはスターダストの発見であり、カオス戦争の終わりにすべての者へ明かされたその出来事こそが、エスパーたちがついに協調して行動するきっかけとなった。 実際、長年にわたり、技術の進歩や…

    続きを読む